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茨城県外国人材支援センター×インドネシア教育大学

外国人採用で“選ばれる茨城”
~重点国インドネシアとの連携から考える~

 

インタビュアー

茨城県外国人材支援センター 吉澤智也マネージャー

インタビュイー

WILL伊藤さん
株式会社ウィルオブワーク
東日本営業部 茨城支店
伊藤 理恵リーダー

UPIスシ学科長
インドネシア教育大学 言語文学教育学部
日本語教育学科長 Susi Widianti

 

何故、外国人採用の熱が高まっているのか

吉澤マネージャー

近年、企業のグローバル化やダイバーシティの広がりにより、日本で働く外国人労働者数も右肩上がりで増加してきました。
厚生労働省の資料によれば、外国人留学生や母国で高等教育を修了した者が取得する在留資格「技術・人文知識・国際業務」を持つ労働者も10年で3倍以上に伸びています。

その流れは首都圏などの大都市に限らず、地方でも外国人労働者を受入れる動きへと変化してきており、在留資格「特定技能」の創設や海外市場を新しい商圏として捉え始めた中小企業も増え始めてきました。

茨城県においては、在留資格「技能実習生」の受入れが目立っていましたが、今後は異なる在留資格での採用と雇用の動きが過熱化することも予想されます。
今回は、本県の重点国の一つ“インドネシア”にクローズUPして、その採用と雇用を考えてみたいと思います。

 

  • 茨城県におけるインドネシア人材の受入に向けた流れ

  令和2年11月 インドネシア教育大学と「人材の育成・送出し・受入れ促進に関する協力覚書」の締結
  令和4年 8月 インドネシア教育大学と「茨城県立産業技術短期大学校への留学生受入れに関する協力覚書」の締結

 UPI×茨城県茨城県とインドネシア教育大学における協力覚書の調印

UPI×県立IT短大茨城県立産業技術短期大学校とインドネシア教育大学における
留学生受入れに関する協力覚書の調印

 

インドネシアという国、そして、日本語を学ぶ意義

スシ学科長

スラマッシアン!こんにちは!
インドネシアといえば、イスラム教という印象が強いかと思います。
それもそのはずで国民の約80%がイスラム教徒、単一国家では世界最大のイスラム教国家となります。
茨城県の皆さんはインドネシアが発展途上国だという認識を持っている方も多いのではと思います。

実は、インドネシアは2020年時点で、世界第16位の経済規模に発展をしました。
2050年には日本を追い抜くとも言われています。
そして、30歳未満の人口比率が約5割、日本語学習者も世界2位と日本への関心が高い特徴があります。

私が所属するインドネシア教育大学は国内で初めて日本語学科を設置した高等教育機関として、日本語学習に特化した学習プログラムを展開しています。
私自身、茨城大学に留学をした経験もあり、茨城県での短期留学を経験した卒業生や在校生が在籍しています。

未だ、日本という国への憧れは多くのインドネシア人の若者が抱いていることから、若者の未来を切り開く“日本”へ有能な人材を輩出できればと願っています。

   インドネシア教育大学
インドネシア教育大学2インドネシア教育大学

伊藤リーダー

ここ数年、外国人材をご要望する企業様が増え、その需要は茨城県内においてもコロナ終息後の動きとして顕著に表れています。
弊社にもインドネシア人の従業員が働いていますが、接してみると、イメージしていた印象とは宗教観をはじめ違いました。
勝手に想像していたイメージが強かったということです。

県内にはインドネシア人の方が非常に多く在住していることから、取引先にもインドネシア人の従業員(在留資格「技術・人文知識・国際業務」や「技能実習生」)を雇用する企業があります。
弊社でも、インドネシア人の採用をご案内するケースもありますが、同じ国の人が身近にいるのは働くにも生活するにも安心感があると思います。
国民性も陽気、英語を話せる人も多いので、活躍するシーンは沢山あるはずです。

一方で、イスラム教の戒律から豚肉やアルコールを食べたたり触れないということはありますが、難しく考えずに、お互いが大丈夫なこと大丈夫ではないことを伝え合うことで、誤解やトラブルを回避することができます。
実際に雇用してみると、そういったトラブルの話も笑い話になっています。

 

新しい雇用スタイル、キャリアの捉え方

吉澤マネージャー

インドネシアに限らず、多くの外国籍の方は自分自身のキャリアと成長を強く意識しているように感じます。                 
故に、転職をしてしまう恐れも高いというデメリットがあると思います。
この点について、如何でしょうか?
近年は、ジョブ型雇用の導入なども話題化しつつあり、大企業と中小企業とでは、その活かし方も異なると思います。
有能な外国人従業員に自社で勤めてもらい、育ったころに他社へ転職されてしまうという点は避けて通れないかもしれない現実について、お尋ねしたいと思います。

 

伊藤リーダー

そうですね。この問題は、インドネシア人に限らないと思います。
実際、弊社の外国人従業員も転職で入社してくる人が多いですし、逆に、転職する外国人従業員も多いです。
特に、日本へ留学をして日本で働く場合、学んだことや習得したスキル・ノウハウを母国でも活かしたいという人たちが多いと思います。
その考えが、普通なのかもしれません。

そういう若いエネルギッシュな外国人従業員を雇用することは、社内の活性化にもつながるはずで、将来的には新規ビジネスへと発展する可能性もあると思います。
弊社でも外国人従業員と一緒に働いていることは、会社にとっても私たち日本人従業員にとっても強みになっています。

インドネシアに限らない問題ではないでしょうか?

 

自分自身と母国への貢献、共に歩めるか

スシ日本語学科長

海外での生活は日本人の皆さんでも苦労することかと思います。
私も茨城県への留学当初は、食生活だけではなく価値観の違いから苦労をした思い出があります。
また、海外で働くということは、留学よりも様々な面での苦労があるはずです。

日本への留学や就労は、自分自身の未来を勝ち取ることが目標であって、その実現に邁進しているという点を茨城県の経営者の皆さんにご理解いただきたいと思います。
日本で働き学び、その経験を母国の為に活かすことも本人たちの夢ということです。

その夢を一緒に応援してくれるような企業は、学生からも好まれると思いますし、企業にとってもビジネスチャンスになるのではないでしょうか。

 

茨城県に期待するメッセージ ~中長期スパンでの交流を~

吉澤マネージャー

スシ先生は茨城県への留学があることから、本県への思い入れも強いと思います。
茨城県の企業や経営者の皆さんに期待する思いやメッセージがあればお願いします。

 

スシ学科長

本学には、茨城県をはじめとした日本での留学や就職を希望する学生が多く在籍していますが、留学はできても就職は難しい実態があります。
その理由は、インドネシアでは日本の就職情報がキャッチしにくく、正しい情報かどうかを判断する材料がありません。
これまでにも、日本での就職後に内定時の情報と異なるという卒業生が複数いました。

茨城県の企業経営者の皆さんには、是非、正しい情報と適正な雇用を本学と本学の在校生に提供していただきたいです。

その一方で、本学は日本語教育を平均してN3~N2に成長させる努力を行い、相互に良いパートナーシップを構築することができればと感じています。
そのためにも、短期スパンではなく、中期スパンでの交流を目指してもらえれば、インドネシアの良さも伝わるはずです。

是非、インドネシア教育大学にも足を運んで、本学の学生とも交流をしてみて下さい。

インドネシアの若者インドネシアの若者

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